酒日記その173-岩瀬酒造
二件目は御宿にあります岩瀬酒造さんへ。
先に伺った木戸泉酒造と違い、大きい道路に面していません。
車を宿において歩いていったのですが、色々探して迷った末、近くの商店に入って聞くことに。
「すいません。岩瀬酒造さんに行きたいのですが、お分りになりますでしょうか」
「目の前にある小道に入って手前から三件目ですよ」
あっさりと回答を得ましたが、指示されたのはトラックの出入りが大変そうな道。
てくてく歩いていくと、歴史を感じるわら葺き屋根の建物が見えてきました。
大きな煙突も奥にうかがえます。
どうやらここで間違いなさそうです。
中に入っていき、事務所にいる女性に声をかけ、遅くなったが蔵見学を予約した旨を伝えます。
暫くすると蔵元がやってきて、蔵の中を案内してくれました。
蔵元さんは口数が少なくちょっと取っつきづらいですが、
仕事人さんって感じで好感が持てます。
米を蒸す釜はちと小さめですが、がっちりとした立派な釜です。
麹室では実際に行なう作業を道具を示しながら教えて頂きました。
麹室の香りは独特で心地よく感じます。
仕込みタンクでは、通常の仕込みを三段仕込みで行なっている事、一段仕込みで造る酒もあること、3割が山廃造りであること等をご説明頂きました。
一段仕込みでは量を造ることが出来ないため、あまり種類は出せないそうです。
過去に飲んだ岩の井さんのお酒について感想を述べたり色々話し込んでいるうちに、
事務所の2階にあがって試飲する事になりました。
すらりとお酒が並べられ、蛇の目になみなみと注がれていく姿は圧巻です。
隣に嫁さんさえ居なければすべて飲みきっていたでしょう。
試飲させて頂いたお酒は次の通り。
岩の井 大吟醸
岩の井 純米大吟醸
岩の井 月の砂漠純米吟醸
岩の井 吟の舞大吟醸
岩の井 山廃純米吟醸一段仕込
岩の井 総の舞純米吟醸
岩の井 古代米の酒
大吟醸と純米大吟醸を比較すると、純米大吟醸は落ち着いた香り。
大吟醸のほうがより華やかな香りです。味は純米大吟醸に軍配が上がる。
でも純米大吟醸は常飲酒にするにはちと、いやだいぶ高めで手が出ません。
月の砂漠はほぼ地元消費のお酒。でも飲んで消費するのではなく、御宿土産がその殆ど。
そういえば木戸泉でも大原裸祭りという名が付いたお酒を売っていました。
過去飲んだ岩の井さんの純米吟醸のうち、
シマヤPBの山廃純米吟醸 昭平庵が美味しかったですとお伝えした所、
あのお酒は普段の作りでは使っていない岩手産の酒米を使用しているとの事。
吟の舞は先ほど飲んだ大吟醸、純米大吟醸より柔らかい感じ。
東京サミットのときに席上酒として出されたお酒として知られていますが、
アルコール度数が控えめなので日本酒が苦手でお酒があまり強くない人でもいけるかも。
山廃純米一段仕込。これは旨い。
口当たりは濃いめのお酒で、ゴクリと飲むと旨味が喉に広がっていく感じです。
人によって好き嫌いの分かれそうな味ですが、私的には本日のベストヒットでした。
飲んでから時間が経っているので細かい味を確認するのは後程。
千葉県産の酒米である総の舞純米吟醸は甘みのあるふくらみがグー。
よく飲む鍋店の総の舞使用酒と同系統な感じかな。
辛口できりっとしたタイプ好きには勧めないけど、まあまあ万人受けしそうな味です。
古代米の酒は……うーん評価がし辛い。普段日本酒を飲んでいる人から見ると、
日本酒の味ではないので辛口評価になりそうですね。
フランス料理の店で使われたりしていると蔵元がおっしゃっていました。
成る程。洋食とは合いそうな感じ。
悩んだ末、数本購入。
岩の井 山廃純米吟醸一段仕込 1.8L一本
岩の井 総の舞純米吟醸 720ML二本
岩の井 古代米の酒 510ML一本
総の舞は人様へのお土産ということで。
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